2009年11月17日号
平澤瑞雄通信 VOL.1



私のビジネスライフワークは、いかにして本物の木を利用価値の高い建築仕上げ材料として優良な建築物に役立たせるか、です。
そして株式会社エーディーワールドの事業テーマは「木を、プロデュースする」です。

ご周知の通り、近年エコロジー思想と言って環境の重要性が大きな世界的社会テーマになってきました。嬉しい事です。 私は50年前に自分自身の事業をスタートした時から自然素材=本物の木だけに集中してきました。自然な木にはそれぞれ異なる表情が有り、だからこそ価値が高いのです。優れた建築やインテリアデザインと最も良くバランスがとれるのはやはり本物の材料だと思います。

木に関しては、今までの建材業界では人工的に木目を再現した化学素材建材が大変多く使われています。化学製品はその高い工場生産性、流通の簡易性、デザインの容易性、クレームの少なさなど大量生産としての利点が確かに多く、効率の高さと材料費の安さからコストの安い製品が多く生まれます。
本物の木による建材はそれに比べてたいへん難しい。それぞれ違う表情の木目を建築やインテリアで生かす為には、それに向き合うデザインの鋭い感覚と力量が求められます。そして、そのような優れたデザインを、設計家の目的通りに実現する為の製品を生産する事は、細心の気配りと高い技術と感性がなければ不可能です。それは困難な仕事であると同時に、意味が有る、貴重な仕事です。いままでに関わった数々の優れた物件にはそれぞれの設計士のプロフェッショナリズムがそのまま反映しています。私たちの納める本物の木の材料が、その価値創造の一端を担った事を誇りに思っています。

化学物質を多く使った建材は、ご存知の通りシックハウス症候群などの問題も引き起こします。最近はマンションの購入者からディベロッパーが損害賠償を求められ会社側の過失が認められ損害賠償を認定されたケースもあります。健康と環境を重視する事が法規制となり、私たちが心から求める安心した生活の実現のために自然の木への回帰という思いが強くなるのは当然の事だと思います。

木をプロデュースする、という事業目標で多くの製品を開発してきた私の50年の木製建材への関わりの集大成として、2002年から開発を重ね2004年から本格的な生産を開始した環境循環型木材のEW8はその開発コンセプトが認められ、2008年にグッドデザイン賞を受賞するに至りました。素材としてその開発意義と環境に与えるインパクトについて評価して頂けた事は、私にとって、我が社にとって、また建材業界と建築界にとって大きな意義だと感じます。

今も何か新しいキーワードに触れたり人と有って話をする毎に、新しい木製品の開発アイデアが頭に浮かびます。まだまだいろんな製品企画ができる、やりたいと思っています。

今私の中で大変重要な位置を占めているのは、銘木です。当社にはケヤキサクラウォールナットローズウッドを始め多くの樹種、それぞれ30年以上乾燥され丁寧に管理された素晴らしい銘木板が、非常にたくさん保管されています。数は4,000点を超える程です。銘木は1点1点の表情が全て異なり、素材感と存在感が非常に強く、上手に使うと素晴らしい空間の演出が可能な特殊な素材です。今世界の最先端を行く建築家、デザイナーによって急速に注目され始めた素材です。

私の今の開発主軸はこの銘木を建築とインテリアデザインの中で使いやすく、低コストで提供することで、優れたデザインと本物の木の素材の融合で注目を集める物件を設計家やデザイナーのみなさんと一緒に出来るだけたくさん実現したい。活用方法は無限大に有ります。是非ご利用下さい。


 
By 平澤瑞雄
エーディーワールド創設者であり現会長。
木と建築にこだわり続けて50年。

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